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第126話 仕事人としての意地③

Auteur: 花柳響
last update Dernière mise à jour: 2026-02-12 18:00:06

 ◇

 深夜のブライダルサロン『フェリーチェ・ルーチェ』。

 本来なら静寂に包まれているはずの店内は、ショーウィンドウの照明までもが煌々と灯され、異様な熱気を帯びていた。

「……あら、来たのね」

 一番奥にあるVIP用のフィッティングルーム。

 そのソファに、綾辻麗華が優雅に脚を組んで座っていた。

 彼女の足元には、無惨な姿になったドレスが、ゴミのように転がっている。

 一目見て、息が止まりそうになった。

 それは、私が湊のマンションに軟禁される前――最後に担当した、彼女のブランドの新作ドレスだった。

 だが今は、背中のファスナー部分が大きく裂け、裾のレースは何かに踏みにじられたように黒く汚れている。

「見ていただける? これ」

 麗華は汚いものをつまむように、人差し指と親指だけでドレスの端を持ち上げた。

「試着しようとしたら、ビリッといったのよ。……縫製が甘かったんじゃないかしら? それとも、経費削減
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